サイトプラストとは|武本歯科クリニック|横浜市保土ヶ谷区の歯医者・歯科

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サイトプラストとは

サイトプラスト(CYTOPLAST)とはインプラント手術に用いる材料のひとつです。
インプラントを植立する部位の歯槽骨に十分な骨量が確保できない場合に行なう、GBR法に使用します。

GBRとはGuided Bone Regenerationの略で、日本語にすると”骨誘導再生法”となります。
自家骨もしくは骨補填材を骨量が少ない部分に置き、その上をメンブレンという人工膜で覆うテクニックです。人工膜によって自分の歯肉と骨補填材が遮断されて、骨補填材が骨に置換しやすくなる環境を整えることができます。
 

サイトプラストの特徴とは

サイトプラストも人工膜のひとつです。
サイトプラストは非吸収性で歯肉を覆わない”開放創”の状態で手術を終えられるという大きな特徴があります。

骨量が足らない部分に骨補填材を置いてから歯肉を元のように戻すには「減張切開」という歯肉を延伸させるテクニックが必要です。骨補填材の分だけボリュームが増えるため歯肉が延びるようにしないと骨補填材が露出してしまいます。
小銭入れに小銭を入れすぎるとチャックが閉まらないのと同じです。


開放創にできるサイトプラストを使えば歯肉を延伸させる必要がなくなるため非常に重宝される材料です。開けっ放しの小銭入れが開放創の状態です。
ただし、私は閉鎖創では使用しません。
 

サイトプラストを閉鎖創で使用するわけとは

サイトプラストを開放創で使用することは間違いではありません。開放創で使用することができるというメリットは、難しい症例で役立つことも多々あります。したがって、開放創で使用する事を否定はしません。

【感染の問題】
外科の基本は閉鎖創です。
患部(この場合はインプラントを埋入した部分)の治療が完了するまで、一定期間は外部にさらさないように歯肉で覆って感染のリスクを軽減することが重要です。サイトプラストを正しく使用すれば開放創にしても感染はしませんが、閉鎖創よりは感染リスクが高くなることは否めません。歯科医師のとって1/100の失敗でも患者さんにとっては1/1の失敗ですから、患者さまに適した方法を選択するのが我々の務めです。

【見た目の問題】
サイトプラストを開放創で使用した症例の術後を観察すると閉鎖創で使用した場合に比較して、治療した歯肉の部分がいまいち美しくありません。開放創の部分の歯肉は月面のクレーターのように凹んでしまうためインプラントに被せ物を装着した時に歯肉の感じに違和感があります。


凹んだ歯肉を元のようにするには歯肉移植などの患者さんにとって余分な処置が必要になります。

 

研修会

サイトプラストを取り扱う会社が主催する研修会で講師を務めています。
講演ではサイトプラストを使用した症例解説と豚顎骨での実習を行っています。




次回は10月13日に開催しますがすでに満席です。定期的に開催していますので興味のある方は来年のコースにご参加ください。
主催は株式会社エイペックスメディカです。
リンクを貼っておきますので参考になれば幸いです。
http://www.medical-apex.com/2019-10-13cytoplast/